16.ルートの中の数を簡単にする√の中の数を簡単にする変形について本題に入る前に、次の事を理解しておいてください。 (1)「√a」とは、「aの平方根(2乗するとaになる数)のうちの正のほう」という意味である。 (2)ルートの中の数が何かの2乗になっていれば、√を使わないで表すことができる。例えば、√4=2、√9=3 (3)√a×√b=√ab。逆に、√ab=√a×√bでもある。例えば、√40の「40」は「4×10」や「5×8」と表すこともできるので、√40=√4×√10、√40=√5×√8のような形に直すことができる。 [例] 次の数を変形させて、√の中の数をできるだけ簡単な数にしなさい。 ア.√45 イ.√72 [解説] (3)の考え方を使って、ルートの中の数を他の2つの数の積にする。このとき、次のような「思考の流れ」を作れるように。 ★ルートの中の数を2数の積にするとき、一方は必ず何かの2乗 でなければならない。 「何かの2乗」として、4、9、16、25、36、49・・・などの数を思い浮かべ、何で割れそうか見当をつける。 ア.√45のルートの中の数45を9×5として、 √45=√9×5=√9×√5=3×√5=3√5・・・答え こうすれば、(2)より、「ルートなしで表せる部分」と「簡単な数となってルート付きで残る部分」とに分けることができる。 ★ 「何かの2乗」はなるべく大きい数を使う。 イ.√72のルートの中の数72は、4とか9とかの「チンケな数」でも割れる。けど「もっと大きい数はないか?」「36が使えるではないか!」 √72のルートの中の数72を36×2として、 √72=√36×2=√36×√2=6×√2=6√2 【補足】 ■ もし、√72をチンケな数9を使って変形させたとする。すると、 √72=√9×8=3√8となる。 これでは「できるだけ簡単な数」にしたことにならない。残った√8をもう一度いじくりまわさねばならぬ。究極の「二度手間」だ。 ■ この手の計算を「素因数分解オンリー」で説明する教師がいる。 たとえば、√72=√2×2×2×3×3 とかやらせる。よせばいいのに…。 この場合、最初に72を2で割ったときに36が出現するではないか! これは明らかに6の2乗なのだから、これ以上分解する必要がどこにある! 素因数分解は、√1176のように、何の2乗で割れるのか見当がつけにくい場合に限るべきだ。 何でもかんでも「最後まで素因数分解」では、芸がないを通り越してムダ以外の何物でもない。 |